9.効果の確認

9.効果の確認

POINT

実験室での放電試験の結果だけでなく、冬季雷の多い地域で5年間に渡るフィールド試験を行って、冬季雷にも効果があることを確認している

PDCE避雷針に落雷抑制に効果があることは、フィールド試験で確認されている。

青森県の風力発電施設の一部をお借りした実証試験

場所青森県西津軽郡深浦町
取付場所風力発電のブレードの保護を目的としてブレードの上部に架空地線を張るために設けられた高さ92mのポール2本の内の1本の先端
期間2014年 4月~2019年 5月
試験方法1mの隔離距離で同じ高さに取付けた通常避雷針とPDCEでの落雷数の比較。それぞれに取付けられた雷サージ・カウンターの値を取集
結果通常避雷針に11発の落雷があったが、PDCEへの落雷はゼロであった。
中央の風車の両側に建つ高さ92mのポール
中央の風車の両側に建つ高さ92mのポール

風車の両側に建つ高さ92mのポールの間には避雷導線が張ってあり、ブレードを落雷から保護している。この片側(海に近い側)に通常避雷針とPDCEを同じ高さで水平方向には1mの隔離距離で取付け、それぞれに雷サージ・カウンターを取付けて落雷回数を測定した。

PDCEと通常避雷針。中央にいるのは松本
92mのポールの上での作業
風車とポールの位置関係
風車とポールの位置関係

このポールの冬季雷の終わった5月頃と夏季雷の終わった10月頃、年2回、作業員の方にポールの上まで登っていただき、カウンタの写真を撮影する実験を5年間に渡って行った。

この風車は、老朽化に伴い、現在ではポールと共に撤去されている。

大規模設置事例での設置後の状況

弊社のPDCEは、大手私鉄15社のうち、12社で使用されている。鉄道施設というのは屋外に設置された長大な電気回路ともいえ、公共サービスを担っているので落雷のような自然現象による事故であったとしても、サービス停止時間を最小にしなければならない。このため、多数のPDCEが沿線の変電所、無線設備、信号制御、踏切などの電気設備を保護するために使用され、その総数は軽く1,000基を超えている。

京王電鉄の場合

中でも大規模なのは、京王電鉄様で新宿から八王子、途中、調布から橋本までの営業キロ数86㎞に対し800台を超えるPDCEが沿線に設置されている。 その沿線の落雷数を弊社は、設置が始まって以来10年間、そしてこれからも毎年、観測を継続し、線路全体を含む調布を中心とする50km四方と線路に沿った沿線の5㎞四方の落雷数を長期観測しているが、PDCEの設置が始まって以来、雷による大きな事故には遭っていない。厳密にいえば、誘導雷による小さな事故はあるが、これらは装置のリセット、最悪でもヒューズを交換する程度で回復できるが、直撃雷に会えば、ケーブルから装置に至るまで真っ黒に炭化し、どの部分から復旧させるかさえ見極めが困難となり、復旧に時間を要する。少なくとも、PDCEを設置して以来、そのような事態には陥っていない。京王電鉄様については、弊社HP「お客さまの声」に掲載している。ぜひご覧いただきたい。

富山、新潟における山頂のTV中継装置

TVの電波は直進し、山の反対側には届かないので山頂にはTVの電波を中継する設備があり、これは民放、NHKなどが共同で使用している。富山の民放3局、新潟の民放4局とNHK様の中継所合計12局にはPDCEが設置されている。山の上であるから、当然、公共の交通機関など無く、事故があれば徒歩で雪の中を修理に赴かねばならない。そのような環境の下で使用され、落雷事故が減少している実績を重ねている。

1社で20台を超えるような大規模事例

1社で20台を超えるような大規模ユーザーの数が増えている。こういうお客様の設置からある年月を得て、その声をまとめることも重要なことと考える。

 2024年8月で約4,000基が設置されこの数を増やしていくと、今さら、検証試験などを行わずとも、この設置個所での落雷状況を観測していくだけで効果については検証可能な実績が出来上がりつつある。