14.保護範囲

14.保護範囲

POINT
  1. 基準法が優先し、これを越えての保護範囲は、法律的には意味がない(意味を持たせてはならない)。あくまで、建築基準法の「受雷部」として扱う。
  2. 建築基準法の適用外であれば、高さHに対して、半径5Hの円錐形内を保護域として想定することも可能。

PDCE避雷球にも色々なサイズの製品があり、大自然の前にたかだか数cm の違いなど保護範囲の大きな差を生じる事はないであろうとする見方もあるが、落雷を抑制する保護範囲という観点で全てが同じ性能ではなく、製品の構造や作りが異なり、製品価格も異なるように保護範囲も異なるが、自然環境の異なる状況の中で、保護範囲が理論的に計算できるものではなく、保護範囲の根拠としては、Magnumを用いて行われた実証試験での値を基準として推測するしかない。

 Magnum 200台を用いた5年間の試験で設置場所から半径200m以内への落雷は認められなかった。これは気候風土も異なる外国での値なので、安全率を、見込んで半分の100mとしている。高さ20mの場所に取り付けると、ここを頂点とする半径100mの円錐形の範囲内を保護範囲として期待できる。

 しかしながら、これはあくまでも実証試験の結果であり、常にその値が期待できるとは限らない。

 また、建築基準法の規定に基づいて使用する場合には、受雷部として使用し、あくまでも建築基準法(回転球体法等)の規定が保護範囲になる。

 建築基準法で避雷針の設置義務のない場所で使用する場合には、Magnumの取付位置の高さの5倍の半径を有する円錐内部を保護領域として期待することができる。ただし、例えば、東京タワーの上に付けたからと言って東京タワーを中心とする半径1.6kmまでは実績がなく、水平距離方向(半径)の最大は100mに限定している。

このMagnum の保護範囲を基準とし、電極の大きさ、フランス ポー大学での放電試験の結果などを鑑みて仮に決めたのは上記の図である。この数字はあくまで目安であり、今後、使用実績の増加と共にこの数字は改めることもあり得る。