16. 総合雷対策
POINT
- PDCEは、電線、地面を伝わって来る雷電流を防ぐことはできない。これらの対策が別途、必要である場合にはPDCEにのみ頼らずに内部雷対策を施すことも必要
- 共通接地、架空配線などは、いわば【下水】であり、PDCEは傘にたとえられる。傘をさして雨から濡れないようにしても、上流のドシャ降りで足元のマンホールから雨水が湧き出て濡れることがある。接地を共通にしている部分は全てPDCEの保護下に置くことが必要である
弊社製品は、直撃雷を防止するための製品であるが、落雷の被害はこの他にも電線を伝わって来るものがあり、それについてはPDCEと並列的に使用することが必要である。これは、雷雲直下で電線に溜まってバランスしていた電荷が、雲中放電や雲間放電の結果無くなって電線上で流れ込む。電柱や送電塔などの垂直的な構造物への落雷が電線に乗って流れて来るものなどがある。それらに対しては、耐雷トランスや保安器などでの保護が必要になる。また、電源の保安用アースから避雷設備、情報ネットワークまで含めた接地システムも欧米では進んでいるが、日本では配電設備の中に専用アース線など含まない2線式の電線が用いられている場所が多いため、諸外国と整合の取れた統合接地システムを作ることは非常な困難を伴う。