避雷針があっても、それでも被害は防ぎきれません。ある建物に落雷が発生すると次のような被害が生じます。

1)接地間電位差 落雷した電流で大地の電位が上昇し、接地を通して電気、通信系等に電流が流れ込む

電気系、通信系統に別の接地がしてあっても、これらの接地と避雷針の接地に十分な離隔距離が無ければ、避雷の接地からの電流が、地下の接地から電気系、通信系に逆流します。

設置間電位差

2)フロア間電位差 ビル内部の各階で電位差を生じる

ビルの各階から地面までの距離は当然異なりますから、地面を基準とした場合の各階での電気抵抗は異なります。落雷で各階を貫いて電流が流れると、この電気抵抗の違いにより各階で電位差を生じます。

設置間電位差

3)避雷針までたどり着いた雷が、そのままアース線を伝わって大地に流れ込むことなく、例えば、隣のビルの側面やビルの近所の構造物などに流れる。これを二次落雷と呼びます。

避雷針があれば問題は全くないというものではありません。落雷は、発生しないこと、それが一番です。