工場に雷が落ちたらどうなる?

 もし工場に雷が落ちたらどうなるでしょうか?
 建物の損壊や火事、機器の故障など様々なリスクが考えられます。経済的な面でいうと、建物や機器の修理、交換といった費用が必要です。しかし、それ以上に大きな打撃となるのが、操業できないことによる経済的な損失です。

工場の落雷対策

 多くの工場では、避雷針を設置するなどの対策が取られていますが、それでも被害が発生するケースがあります。
 例えば「誘導雷」で発生する損害です。避雷針を設置する箇所は、避雷針に雷が落ちることを想定して対策を施していることが多いですが、誘導雷はそれだけでは防ぐことができません。誘導雷は、工場付近に雷が落ち、雨で濡れた地面を伝って工場に到達する雷のことです。地表に置いてある工場内の電子機器に侵入したり、電気配線に流れ込み、機器に損傷を与えることがあります。誘導雷の対策には、「SPD(サージ防護デバイス)」を雷の侵入経路となる電線や通信線、アンテナなどにつける必要がありますが、対象となる経路が多すぎて、全方位からの誘導雷を防ぐことは非常に困難です。

 実際に雷の被害にあった工場では、設備故障が発生した際に、雷の直撃による建物の損傷なども認められなかったため、初めは原因が分からないこともあります。調査すると近隣に落ちた雷による誘導雷だったというケースです。

「雷を落とさない」対策で工場を守る

 従来の避雷針は、避雷針の先に雷を誘導し落雷させる、という方針で設置されています。つまり、雷が落ちてしまうのあれば、落ちる場所をあらかじめ誘導することで深刻な被害を防ぐというものです。
 ICT時代の工場では、避雷針で落雷を誘導することは大きな副作用を伴います。被害の大きい場所を避け雷が避雷針に落ちたとしても、避雷針から雷電流が伝わる影響で、電子機器に影響が出てしまう可能性も残ります。また、誘導雷による被害も看過できるものではありません。

避雷針の原理について詳しくはこちら

 近年、従来の避雷針のような方法で落雷を呼び込まない方がいい、呼び込んだら危険であるという認識が広まっています。弊社が取り扱う新しいタイプの避雷針、PDCE避雷球は雷を落とさせないことに主眼を置いています。落ちたら困る、という場所において、「落とさない」ことが目的です。

従来の避雷針では、付帯設備の保護を目的としていないため、被雷すれば工場設備に障害が発生します。落雷し難いPDCE避雷球ならば、落雷の影響を抑えることができます。

落雷抑制の原理

PDCE 避雷球 製品

PDCEによる雷対策

工場の雷対策はどうすればよいのか

比較的広いエリアを守ることができるPDCE避雷球ですが、その保護範囲は、高さと水平距離がおおよそ1:5のエリアとなっています。工場全体とその周辺をカバーできるように設置することで、落雷による被害から守ることが可能となります。※ 製品により異なります

PDCEの保護エリア

PDCE避雷球の保護範囲について詳しく

PDCE避雷球を工場全体にうまく配置することで、かなり広範囲をカバーすることも可能です。写真は30,000坪のエリアを守るようにPDCEを配置している工場です。2018年の設置後では、2022年に誘導雷による被害がありましたが、従来の被害の10分の1程度に抑えることができています。2024年夏に頻発したゲリラ雷雨でも被害はありませんでした。

工場全体をカバーするPDCE
約30,000坪の向上全域をカバーするよう設置

 PDCE避雷球は既存設備の屋根に後付けすることが可能です。従来の避雷針が付いている場合は、すげ替えられます。大規模な工事をせず設置できることも、PDCEを導入しやすいポイントです。

PDCEの設置ついて詳しくはこちら

工場の屋根にPDCEを設置
既存設備の屋根にもPDCEを設置可能

 PDCE避雷球の導入について、詳細はお問い合わせいただけますようお願いいたします。