建物への直撃雷を抑制できたとしでも、この建物の付近に落雷があれば電力線、通信ケーブルを通じてこの建物へ雷サージは侵入します。これを防ぐためには次のような準備も必要になります。ネットワーク機器の多くは、電源線と通信線の二つのケーブルに接続されています。この2種類のケーブルは、この建物に入ってくるルートが必ずしも同じではありませんから、落雷が付近であれば、どちらか一方のケーブルの電位が高くなります。この電位差が機器に加わることで機器は損傷を受けます。

この電位差を発生させないようにするには、

  1. 被保護機器と外部との電気的な接続の間に絶縁トランスを介入させて外部からの雷サージを遮断する。
  2. 電源線と通信線の間にバイパス回路を設け、雷サージが器機を通過せずにバイパス回路を通過させる。

雷サージは、大地からも侵入します。容量性避雷針には落雷しなくても隣の建物に落雷した場合、大地からアースを通じてサージが侵入します。 これで、電源系のアースと通信系のアースに電位差が生じることになりますので、これを防ぐにはアース間の等電位化が必要になります。