風力発電と太陽光発電の落雷対策

「風力発電用 落雷対策」と「太陽光発電用 落雷対策」

 自然エネルギーには地理的な要素が内包されています。欧州で実用化されている風力発電ですが、欧州は緯度が高く雷が少ない地域なのです。ですから、風力発電設備の停止原因における落雷の割合は10%未満です。日本は欧州よりは南にあるため、落雷も多く、既に陸上施設ですが風力発電設備の停止原因の24%は落雷に起因しています。そんな国で、欧州の真似事をするだけでは欧州並みの実用化は難しいのです。

 例えば、風力発電所の多い日本海沿岸は、風もありますが、同時に冬の雷の多いところでもあります。大型の風力発電装置のブレード高さは110m以上にもなります。すると、統計的には年間10回程度の冬季雷の落雷があるのが普通です。一度、落雷に会えば、ブレードが燃えながら落下することもあり、その修復には多額の費用が必要になります。

風力発電の落雷事故1

風力発電の落雷事故2

 小形の風力発電であれば、例えば、避雷タワーのようなものを作るのでしたらPDCEで間に合うのですが、大型化する風力発電の設備を避雷鉄塔で守る事は経済的に不可能です。 そこで、弊社は、風力発電のブレードを落雷から保護する方法についていくつかの方法を考案しました。

 ブレードが110mも大型化するとの先端での半径方向の遠心力と接線方向からの風圧は小型風車よりもはるかに大きくなります。その遠心力と風速にも絶えるような翼端型のPDCEを開発しましたが、既存の設備に後付けするのは困難で製造時にブレードの製造業者様と一緒にブレードと一体に作らねばなりませんので、既存のモノをそのまま利用する方法も考案しています。もし、落雷でお困りでしたら、解決する手段はありますのでご相談ください。

 太陽光発電については、夜間や雨の日での需要に対し、蓄電池を備えるなどの大規模化が進んでいます。 パネル自体の価格低下により、蓄電池のような高価な付帯設備の落雷対策としてご利用いただくケースが増えています。

 また、発電した電力と系統に接続するために作った送電鉄塔への落雷防止などにもご利用いただいています。